【NQNニューヨーク=古江敦子】23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が下落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、この日から期近となった11月物は前日比1.88ドル安の1バレル44.48ドルで終えた。米国でのガソリン在庫が増えたことや中国製造業の景況感が悪化したことを受け、先行きの需給の緩みを見込んだ売りが出た。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の石油在庫統計で、原油を精製して生産するガソリンの在庫が市場予想を超えて増加した。ガソリン消費が増えなければ、原油の在庫増につながると警戒された。
今後は製油所が定期修理に入り、ガソリン需給は引き締まりが見込まれるものの、精製処理が遅れることで原油在庫は高水準を維持するとの見方も相場の重荷だった。
中国メディアの財新と英マークイットが同日発表した中国の9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は6年半ぶりの低水準となった。米国に次ぐ原油の消費国である中国の景気減速は長引くとの見方から、原油需要の伸び悩みが改めて懸念された。
ガソリン、ヒーティングオイルは3営業日ぶりに反落した。
金先物相場は3営業日ぶりに反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である12月物は前日比6.7ドル高の1トロイオンス1131.5ドルで終えた。外国為替市場でドルがユーロに対して下げ、ドルの代替投資先とされる金先物に買いを誘った。米株式相場が軟調に推移したことも投資家心理を冷やし、リスク回避を目的とした買いが入りやすい金への資金流入を促した。
銀は反発したが、プラチナは3日続落した。