【ニューヨーク=蔭山道子】米セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁は25日、米国の利上げについて「賢明な金融政策なら、徐々に正常化を始めるだろう」との認識を示した。経済情勢は「基本的に米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標に達した」とも説明した。米連邦準備理事会(FRB)が依然として金融危機から続くゼロ金利を維持していることを疑問視したうえで、金融政策を正常化させる必要を訴えた。
25日発表の講演資料に記した。9月のFOMCで利上げを見送った点について「市場の反応を見ると、世界経済の不確実性を減じるより、むしろ生み出したようだ」とも分析した。
FRBが政策金利を0.25%でも引き上げれば、ただちに金融引き締めにつながるとの受け止めがあることには「真実からほど遠い」とした。金融政策の正常化に動き出したとしても数年は緩和的な政策が保たれると指摘した。金融政策に関するFOMCの説明が不十分であるとの考えも示した。ブラード氏は2015年のFOMCで投票権を持たない。