前橋市の住宅跡地から茨城県在住の60代男性とみられる遺体が見つかった事件で、男性が行方不明になった後に、個人名義や会社名義の口座から約1億7千万円が引き出されたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。男性のアパートの家賃が2013年12月以降、滞納していたことも判明。警視庁捜査1課はこの頃に事件に巻き込まれたとみて調べている。
捜査関係者によると、男性は千葉県や青森県などで不動産会社や土木関連会社など約20社の社長や役員を務めていた。14年以降、個人・会社名義の口座から複数回にわたり計約1億7千万円が引き出されていた。
男性が行方不明になる前に住んでいた青森県のアパートの家賃は13年11月の支払いを最後に滞納していた。14年2月ごろには男性の会社関係者を名乗る複数の人物が「部屋の荷物を処分したい」とアパートを訪ね、家具を持ち出したという。
捜査1課は今月上旬、男性の知り合いだった50~70代の男3人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕した。3人のうち1人が「以前住んでいた前橋市の住宅に男性の遺体を埋めた」と供述し、同課が18日に同市の住宅跡地を捜索。男性とみられる遺体を発見した。同課は男性が死亡した経緯などについても3人から詳しく事情を聴く。