経済統計の精度を巡る議論が高まるなかで、内閣府の統計委員会は26日の会合で、法人企業統計を12月、毎月勤労統計を来年1月に審議する方針を決めた。両統計とも来年2~3月に報告書をまとめる。16日の経済財政諮問会議で精度の問題を指摘されただけに、委員長の西村清彦東大教授は「調査対象の入れ替えの問題は重要だ」と述べ、集中的に審議していく方針を示した。
毎月勤労統計は2~3年ごとに調査対象企業約30万社を入れ替えるが、結果が大きく変わることが問題視されている。同統計を担当する厚生労働省では、数グループずつまとめて入れ替えるなどの見直し案を近くまとめる方針だ。
財務省も法人企業統計の対象の入れ替えによる振れが大きいため、2009年に数グループずつまとめて入れ替える手法に変えた。統計委では、さらに改善が必要かどうかを議論する。
16日の諮問会議では麻生太郎財務相が毎月勤労統計や家計調査などの課題を指摘した。いずれも内閣府が国内総生産(GDP)の推計に使う統計で、政策判断への影響が大きい指標だ。