【ブリュッセル＝森本学】欧州連合（ＥＵ）統計局が30日発表した10月のユーロ圏の消費者物価指数（速報値）は前年同月比で横ばいとなった。0.1％低下した前月に比べて小幅改善した。内訳をみると、原油安でエネルギーの価格指数が前年同月比8.7％低下と引き続き大幅なマイナスを記録した一方、サービス価格や工業製品の価格指数の上昇率が小幅ながら幅広く拡大した。

物価の基調を判断するうえで使われる「エネルギーと食品、酒・たばこを除く指数」をみると、10月は前年同月比1.0％上昇した。伸び率は９月から0.1ポイント拡大。域内の雇用情勢の改善を背景にサービス価格指数も1.3％上昇と、９月（1.2％上昇）から伸び率を高めた。

ただ欧州中央銀行（ＥＣＢ）が物価安定のための政策目標とする「２％未満で、その近辺」にはなお遠い。12月３日のＥＣＢ理事会に向けて追加緩和観測が高まっている状況は続きそうだ。