安倍晋三首相は6日昼に都内で講演し、法人実効税率に関してこれまで引き下げを実施してきたことを指摘したうえで、「来月決定する税制大綱ではこれに確実に上乗せする」と語り、一段の引き下げに意欲を示した。同時に、政府が11月中にまとめる一億総活躍社会を実現するための緊急対策について「必要があれば補正予算による対応を検討していく」とした。
国内の経済状況については「行きすぎた円高は是正された。デフレ脱却にあと一息のところまでやってきた」と語った。名目国内総生産(GDP)600兆円の目標については、名目の成長率が3%以上となれば、2020年ごろに十分達成できると強調した。前提となる成長率が高すぎるとの声が出ていることについては、「この20年間はデフレであったから、名目で成長するわけはない。デフレ発想で推し量ること自体がすでに間違っている」との考えを示した。
安倍首相は海外投資家から日本の少子高齢化を問題視する声が多いことも指摘し、「少子高齢化に死に物狂いで取り組まない限り、日本への持続的な投資は期待できない」と語った。そのうえで「少子高齢化に歯止めをかけることは単なる社会政策ではなく、むしろ究極の成長戦略だ」と強調した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕