【シンガポール=谷繭子】中国の習近平国家主席は7日、訪問中のシンガポールで同国のリー・シェンロン首相と会談し、経済協力の強化などで合意した。2009年に発効済みの2国間自由貿易協定(FTA)の拡大に向けた交渉の開始、中国が経済成長を急ぐ西部重慶市の都市開発、人民元建て貿易の振興などが柱だ。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部が中国と領有権を争う南シナ海の問題も話題に上ったもようだ。中国はASEANの経済をけん引するシンガポールと関係を深めることで、域内で領有権紛争における対中批判が高まるのを抑えたいというねらいがある。新華社によれば、リー首相は「(自制を約束した)『南シナ海行動宣言』の精神に照らし、適切に紛争問題に対処すべきだ」とした。