東芝が決算を発表した7日は土曜日で、株式市場が開いていない日に有力企業が記者会見するのは世界でも異例だ。さらに会計不祥事の経営責任を調べてきた外部委員会による報告書案の詳しい説明は避け、会見ではアナリストから「常識外れだ」と厳しい声が出た。
平田政善CFOは土曜開示の理由を「社外役員などに十分に説明し、理解いただくうえでの都合」と弁明した。だが本当は、全取締役の過半を占める社外役員が決算を決議する取締役会にそろって出席できる日を調整できなかったからだ。
「自社の都合を押しつけ、投資家の目線に立っていない」(国内証券)との批判は多く、JPモルガン証券の森山久史氏は「投資家軽視の姿勢が続けば、東証が指定した特設注意市場銘柄の解除に影響しかねない」と指摘する。
同日、旧経営陣5人を相手取り損害賠償請求訴訟を起こしたと発表したが、この件での質問に回答できる立場の役員は会見に不参加。平田CFOは「決算以外の質問には答えられない」と繰り返すばかりだった。