旭化成建材(東京・千代田)による杭(くい)打ち工事のデータ改ざん問題で、同社の前田富弘社長は8日、北海道庁に高橋はるみ知事を訪れ「道民の皆様にご心配、ご迷惑をかけていることをおわびします」と陳謝した。
高橋知事は「大変遺憾であり、あってはならないこと。データ流用の有無の調査と安全確認を責任持ってやってほしい」と要請した。前田社長は「一刻も早く問題解決に取り組む」と神妙な面持ちで語った。
会談終了後、前田社長は報道陣に、道内の工事でデータを流用した担当者の聴取を進めていることを明らかにした。担当者はデータがとれなかったり、書類が雨にぬれたりしたためデータを流用したと説明したという。前田社長は「データ流用の問題と、杭が未達で(横浜のマンションが)傾いたことは基本的には別問題と考えている」と述べた。
同社が過去10年間に手掛けた全国3040件の工事のうち、北海道は422件と最も多い。