【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長ら高官は12日、相次いで講演し、12月の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする可能性に改めて言及した。フィッシャー氏はワシントン市内のFRBの会合で「雇用の最大化と物価の安定が見込めれば、12月に利上げするのが妥当になるかもしれない」と述べた。各氏は「引き締めペースは緩やかになる」とも述べ、利上げ後は慎重に政策運営する考えだ。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁はニューヨーク市内で「条件は近く満たされる」と述べた。12月と時期を特定するのは避けたが「インフレが明確になるのを待つべきではない」とした。
市場は既に12月の利上げをほぼ織り込んでおり、先行きの引き締めペースに関心が移っている。ダドリー氏は「引き締めは極めて段階的になる」と述べたほか、フィッシャー氏も利上げによるドル高や海外経済の減速懸念を指摘し、追加利上げは慎重に進める考えを示した。シカゴ連銀のエバンズ総裁も講演で「より徐々に利上げするのが最も好ましい」と指摘した。