有識者による調査検討会で議論している岡山市の路面電車のJR岡山駅前広場乗り入れ計画について、大森雅夫市長は24日、軌道を広場まで延長する「平面乗り入れ案」を提示した。幹線道路をまたいで駅の東側にある現在の発着点から道路を横切って駅近くに直結する。観光客らの回遊性向上を目的に同案で調整する。
乗り入れ案については当初、高架乗り入れ、地下乗り入れなど複数の案があり、直近では平面案と、道路をまたぐデッキ案(複数)に絞って検討していた。大森市長は「(平面乗り入れは)利用者の利便性が高まり事業費も9億9000万円程度で費用対効果もいい」と同案に絞った理由を述べた。
同市の路面電車は両備グループの岡山電気軌道が経営。中心市街地を結ぶ総延長3キロと2.1キロの2路線がある。岡山城や後楽園など観光地近くも通るが、JRとの乗り継ぎが悪いため改善を求める意見があった。
平面乗り入れ案については「渋滞発生が懸念され周辺交通への影響が大きい」(岡山県警)といった課題もあるが、市長は「岡山市の高齢化率は24.8%で10年先、20年先を考えると公共交通は整備しておかなければならない」と意義を説明した。検討会での議論を経て市議会に諮り、来年度にも基本計画を策定する。