【フランクフルト=加藤貴行】欧州電力・ガス大手の独RWEは1日、再生可能エネルギーや送電・小売部門を分社化し、上場させると発表した。新会社に従業員6万人のうちの4万人、グループの利益の6割強が移る大規模な再編となる。分散型電源や電力消費者に近い成長事業に投資しやすくし、RWE本体は成長部門のバックアップに特化する。
新会社は来年末までに上場させ、公募増資で株式の約1割を新たな株主に保有してもらう。上場後もRWEが株式の約9割を握り、一体運営を続ける。新会社は調達した資金で風力、太陽光発電設備の投資を増やすほか、再生エネの導入拡大に備え送電部門に最大30億ユーロ(約3900億円)を投じる。
RWEは欧州の電力・ガス自由化の波に乗って同業の買収などで規模を拡大した。売上高は欧州の電力・ガス業界で5位。電力販売量は3位、ガス販売量は5位の規模を誇り、欧州12カ国で約2300万件強の顧客を持つ。