熊本市の化学及血清療法研究所(化血研)が国の承認と異なる方法で血液製剤を製造していた問題を受け、厚生労働省は4日、製薬会社に対し、血液製剤を含む医薬品の製造方法を確認する国の検査の一部を抜き打ちで行うなど、検査方法を見直す方針を決めた。
同日の閣議後記者会見で塩崎恭久厚労相は「事前に言わずに行く抜き打ちの検査をやらなければいけない」と述べた。
製薬会社への検査は医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が国の委託を受けて定期的に実施。これまでは効率的に検査を進めるため事前に日時や内容を伝えていた。
化血研の第三者委員会の報告書によると、化血研は約40年前から血液製剤の製造工程で国が承認していない添加剤を加えるなどし、約20年前からは国の検査をすり抜けるため虚偽の記録を作成するなどの隠蔽工作をしていた。
塩崎厚労相は「前代未聞の内部統制の欠落」と厳しく批判。3日から行われている化血研への医薬品医療機器法に基づく立ち入り検査の結果を踏まえ、「厳正に対処していく」と述べた。同省は月内にも同法違反で業務改善命令などの行政処分をする方針。