東芝(6502)は4日、画像センサーなどシステムLSI(大規模集積回路)事業の構造改革を巡り、製造設備の譲渡や分割を発表した。大分工場(大分市)の半導体製造設備について、同日付でソニー(6758)への一部譲渡の確定契約を締結。譲渡金額は190億円で、業績への影響は精査中だが「軽微」の見込みとしている。譲渡資産に関連する東芝と関連会社の従業員約1100人は、ソニー側に移籍する方向で協議と調整を進める。ソニーは同日、施設を主にCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーの製造に使用する予定と発表した。
併せて東芝は、システムLSI事業の一部を子会社に分割する。分割の対象は大分工場(大分市)における同事業の一部で、100%子会社の岩手東芝エレクトロニクスが2016年4月1日付で継承する。
これらの構造改革に伴い、早期退職優遇制度による人員合理化の実施を発表した。ソニーへの移籍とは別で、対象となるのは再配置と早期退職で合わせて約1200人。優遇制度は40歳以上かつ勤続10年以上の従業員に適用とする。措置としては通常の退職金に特別退職金を加算するほか、希望者に再就職支援を行う予定。対象となるのはシステムLSI事業などの従業員。
16年3月期の業績予想や影響については、他の課題事業についても構造改革を検討中のため「まとまり次第お知らせする」としている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕