【カイロ=共同】イスラム教の戒律を厳格に守るサウジアラビアで12日行われた自治評議会(地方議会)選の開票が進み、選管当局の報道官は13日、暫定結果として少なくとも19人の女性候補が当選したと述べた。AP通信が報じた。
女性には今回から参政権が認められた。自治評議会の権限は都市開発の監視など限定的だが、女性初の公選議員誕生は同国では画期的で、権利拡大への一歩となる。
男性優位の価値観が根強いサウジだが、今年1月に死去したアブドラ前国王は地方参政権の容認など女性の政治参加に道を開いた。一方、現在のサルマン国王は保守的とされ、今後は女性進出にブレーキがかかるとの観測もある。
自治評議会は全国に284あり、任命枠を除く約2100議席を約7千人の候補者が争った。このうち女性は約980人だった。2005年に選挙が始まって以来、初めて女性の立候補と投票が認められた。
サウジは絶対君主制で、国王に権限が集中する。国政助言機関である諮問評議会(定員150人)には法案提出権があるが、立法権はない。前国王は13年、諮問評議会に初めて30人の女性議員を任命した。