【フランクフルト=加藤貴行】英製薬大手グラクソ・スミスクラインは18日、米同業ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)から、開発中の抗エイズウイルス(HIV)薬の製品群を買収すると発表した。前金として総額3億5千万ドル(約420億円)を支払い、開発や販売の進展に応じて最大約11億ドルを追加で支払う。主力のHIV領域を拡充する。
グラクソは傘下に米ファイザー、塩野義製薬も出資する抗HIV薬の最大手、英ヴィーブヘルスケアを持つ。今回の買収でヴィーブの既存薬と組み合わせた治療法なども探る。BMSにはまず臨床試験の後期にある製品群の対価として3億1700万ドル、前臨床の製品群には3300万ドルを支払う。
グラクソは主力の呼吸器系疾患の治療薬の特許切れに直面する。2014年には成長率の高いヴィーブの上場計画を表明したが、今年5月に撤回し傘下にとどめる方針に変えた。またスイスのノバルティスからワクチン部門を買収し、抗がん剤の製品群を譲渡するなど資産の組み替えを進めている。