鹿児島銀行の上村基宏頭取は24日、グループ内に2016年をメドに農業生産法人を設立する意向を明らかにした。大隅半島と薩摩半島で農地を確保し、コメや野菜、果物の効果的な生産・流通方法を研究する。地元の農業の後継者不足の解消に向け、農畜産業者の休日確保や収益性の高い生産管理のモデルづくりを目指す。
法人の詳細は今年度内に詰める。鹿児島銀からの出向などで数人規模とし、生産は地元の農家に委託する方針。IT(情報技術)を使った生産・管理システムを構築し、将来は農地やシステムを地元の農業従事者に譲渡することを想定する。
上村頭取は「衰退していく農業に従事する取引先に対して、本当に役立つ支援をするためには主体的に試してみる時期に来ている」と強調した。
同行は肥後銀行と共同で、九州フィナンシャルグループとして農業法人を支援する10億円規模の「KFGアグリファンド」の運用を来月から始めることも発表した。