【カイロ=共同】シリア人権監視団(英国)は25日、シリアのアサド政権側が首都ダマスカス近郊東グータ地区の反体制派拠点を空爆、有力武装組織「イスラム軍」のザフラーン・アッルーシュ指導者ら幹部が死亡したと発表した。政権側にとって大きな戦果。
イスラム軍はサウジアラビアの支援を受けているとされる。来年1月にも再開するシリア和平協議に参加を表明した反体制派の統一交渉団に関与しており、和平協議に向けて反体制派が態度を硬化させる可能性もある。
監視団は、今回の空爆を行ったのがシリア軍なのか、アサド政権を支援するロシア軍なのかは不明としている。一方、ロイター通信は反体制派の情報としてロシア軍による空爆だと報じた。イスラム軍の秘密の拠点が標的になったという。
ロイター通信によると、イスラム軍は反体制派が入り乱れる東グータ地区で最大の勢力を持ち、戦闘員数は1万5千~2万人とされる。
イスラム軍は過激派組織「イスラム国」(IS)と敵対関係にあり、インターネット上ではIS支援者がアッルーシュ指導者の死を歓迎している。