健康保険証の番号や加入者の氏名、住所など約10万3千人分の個人情報が、名簿業者に流出していたことが30日までに、厚生労働省への取材で分かった。厚労省は病院や薬局などの医療機関から漏れた可能性があるとみて調査している。
厚労省によると、流出したのは国民健康保険や企業の健康保険などに加入している約10万3千人分の個人情報。健康保険証の番号や氏名、性別、住所、生年月日のほか、電話番号が含まれているものもあった。
記載されていたのは2005年3月以前に生まれた人のデータ。対象は沖縄県を除く46都道府県に及び、大阪府の約3万7千人、奈良県の約2万5千人、滋賀県の約2万4千人など近畿や四国地方に集中していた。
後期高齢者医療制度の導入に伴って付与された番号がないことから、流出したのは制度が開始された08年4月より前のデータとみられる。
電話番号など保険証に記載されていない個人情報が含まれていたため、厚労省は病院や薬局など医療機関が作成したデータが流出した可能性があるとみている。