【ロンドン=共同】国際陸連のセバスチャン・コー会長は5日、ロシア陸上界の組織的なドーピングや汚職問題に関連し、信頼回復へ組織と主催競技会を再建する計10項目の指針を発表し、ドーピング対策の予算を年間800万ドル(約9億5千万円)に倍増する改革を打ち出した。国際的な検査対象となる選手数も2倍となる約千人に増やす。
8月のリオデジャネイロ五輪前にドーピングや違法な賭け、年齢詐称など不正問題に対応する独立した組織を設置。今年中に組織改革へ新たな最高経営責任者(CEO)を迎え、国際的な監査法人デロイトから専門家を雇って財務管理も見直す。昨年8月に就任したコー会長は「陸上のテレビ視聴者は平均年齢が55歳と持続可能な状況でない。信頼を取り戻し、若者を引きつける競技にしたい」とコメントした。
国際陸連はディアク前会長がドーピングの証拠隠滅に絡んだ収賄容疑でフランス司法当局から捜査され、コー会長も2021年世界選手権開催地をめぐる選定手順で不正疑惑が報じられている。