大学生ら15人が死亡した長野県軽井沢町の大型バス転落事故は22日、発生から1週間を迎えた。事故が起きた午前2時ごろの現場はひっそりと静まり返り、時折通る車のライトが、手向けられた花束を雪景色の中に浮かび上がらせていた。
長野地方気象台によると、午前2時の気温は氷点下7.5度。事故があったカーブを、トラックやトレーラーが慎重に下っていった。
日が昇ってからは、亡くなった学生が通っていた大学の関係者や地元住民らが献花に。法政大OBの自営業、佐藤和人さん(67)は「後輩たちを含め、希望に満ちて、これから活躍するはずだったのに残念だ」と手を合わせた。
長年、町の交通安全活動に携わってきたという石川幸男さん(82)は「こんな事故が起きるとは……。学生たちがかわいそうで仕方がない」と声を落とした。
事故を起こしたバスの目的地の一つだった野沢温泉スキー場(同県野沢温泉村)の駐車場では、午前6時すぎから県警や県職員が、バスの運転手に安全運転を呼び掛けるビラや眠気覚ましのガムを配った。大阪府からツアーバスを運転してきたという藤岡浩さん(32)は「事故を受け、スピードを出しすぎないよう注意した。お客さんを不安にさせない運転をしていきたい」と語った。〔共同〕