甘利明経済財政・再生相の千葉県の建設会社からの金銭授受疑惑を巡り、民主党はまず甘利氏本人の授受の有無に照準を合わせて批判を強めている。秘書の「口利き」疑惑では26日に関係者を聴取する。甘利氏は今週中に事実関係について記者会見する意向だが、民主党は「説明責任を果たせなければ辞任すべきだ」(幹部)として追及する構えだ。
25日、国会内の一室で民主党の安住淳国会対策委員長代理が自民党の佐藤勉国対委員長に詰め寄った。「27日までに甘利氏本人から報告してほしい。それができないと国会日程に重大な支障を来す」。佐藤氏は「努力したい」と答えざるを得なかった。
民主は甘利氏本人の金銭授受の事実確認について、先週段階では25日までの報告を求めていた。「本人が大臣室で50万円を受け取ったかどうかは(思い出せば済むので)調査の必要はない」(民主の山井和則氏)との理屈だ。ただ甘利氏は「調査に時間がかかる」として、事実関係について25日までに回答をしなかった。
民主は22日の衆院本会議で甘利氏による経済演説に先立って議場を退席した。26日から始まる衆院代表質問は審議拒否をせず、本会議に出て疑惑をただす。党幹部は「問題を長引かせ、国会の場でじわじわと政権を追い詰めたい」と狙いを明かす。政府・与党が求める2月4日にニュージーランドで開かれる環太平洋経済連携協定(TPP)調印式への甘利氏の派遣を巡っても、民主は回答を保留して揺さぶりをかけている。
25日には疑惑を調査・検証する特命チームの初会合を維新の党と共同で開いた。同チームは建設会社が都市再生機構(UR)との道路建設を巡る補償交渉で、甘利氏側に口利きを依頼したとされる疑惑に関し、26日にURや国土交通省の担当者らを呼んで事実関係を聴取する。