関西電力が再稼働させた高浜原発3号機(福井県高浜町)は30日午前6時、核分裂が安定して続く「臨界」に達した。今後、問題がなければタービンに蒸気を送り、2月1日から発電と送電を始める。4日にフル稼働させて、原子力規制委員会による最終検査を受け、2月下旬に本格的な営業運転に入る予定だ。
再稼働し、臨界に達した関西電力高浜原発3号機。奥は4号機(福井県高浜町)=共同
3号機は29日に全ての制御棒を引き抜き、原子炉を起動した。原子炉内のホウ素濃度を調整するなどして、核分裂反応を活発化させて臨界状態に移行。発送電後、出力を徐々に上昇させながら、炉心やタービンなどの設備が正常に作動するかを確認する。
3号機の再稼働は、規制委の審査に合格した原発では全国3基目で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電は初めて。
約3年11カ月ぶりとなる運転再開のため、関電は検査前に行う制御棒の動作確認を通常の2回程度から5、6回に増やすなど慎重に準備を進めてきた。
4号機は31日、MOX燃料4体を含む157体の燃料集合体を原子炉に装填する。1次系冷却水の温度や圧力を上げた状態で検査をクリアした後、2月下旬に再稼働する見通し。関電によると、3、4号機が営業運転に移行すれば、2基で月約100億円収益が改善する。〔共同〕