【ニューヨーク=稲井創一】米ゼロックスは29日、2016年末までにプリンター関連の機器事業とIT(情報技術)サービス事業の2社に分割すると発表した。ITサービスを手掛ける企業には物言う株主(アクティビスト)で知られるカール・アイカーン氏が取締役を派遣する。
ゼロックスによると、15年の機器事業の売上高は約110億ドル(約1兆3000億円)で、ITサービスは約70億ドルだった。電子化に伴うペーパレス化でプリンター事業の減収傾向は続いている。一方でITサービスは成長余地がより大きく、分割にともない経営資源を効率的にITサービスに投入できる体制を整える。
昨年11月にアイカーン氏によるゼロックス株式の保有が明らかになった。アイカーン氏側は取締役派遣や事業の構造改革を要求。今回、役員を3人派遣する。分割2社で3年間で合計24億ドルのコスト削減目標の確実な実行などを求めていくとみられる。