東日本大震災が発生した2011年3月11日の夜から翌朝までの星空を再現した、仙台市天文台制作のプラネタリウム番組「星空とともに」が好評だ。毎年3月11日に合わせて上映してきたが、震災5年となる今年は期間を拡大。北海道から福岡までの15都道府県でも上映が予定され「もう一度あの日を受け止めて」と呼び掛けている。
「あの夜は、驚くほど流れ星が飛びました。流れ星は天国へ向かう魂なのだというエピソードが頭をよぎり、その多さに耐えられなくなりました」。映し出された星空にアナウンスが重なる。内容は地元紙への投書やブログから引用した、被災者たちの言葉だ。
地震と津波の影響で大停電となった3月11日夜、被災地を包み込んだ星空を再現したいと仙台市天文台が12年に企画。日本プラネタリウム協議会の全国大会で発表したところ反響が大きく、各地で上映されるようになった。
脚本を手掛けた仙台市天文台の大江宏典さん(42)は「あの日、東北で何が起きたかを知り、被災地に思いを寄せるきっかけにしてほしい」と話している。
上映時間は約40分。各地の上映場所や日程は、仙台市天文台のホームページで確認できる。〔共同〕