中南米を中心に流行するジカ熱で、政府は2日までに、感染を心配する妊婦からの電話相談に応じる仕組みを5月上旬にも全国に整備することなどを盛り込んだ追加対策を公表した。自治体や企業なども参加して、媒介する蚊を駆除する「国民運動」も展開する。
夏に向け蚊の活動が活発になる上、8月のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックでブラジルへの渡航者は少なくとも1万人に上ると見積もる。国内での感染拡大も懸念されることから、新たな対策を講じることとした。
ジカ熱が流行するブラジルでは小頭症の新生児が急増しており、妊娠中の感染が原因とみられている。不安を感じた妊婦が電話などで相談できる体制をつくり、胎児への影響などに関する最新の知識を周知する。五輪に向けては、帰国者の増加に備え8月までに検疫所の検査体制を整備する。
蚊の対策としては6月を強化月間と定め、公園などの草刈りや水たまりの除去、蚊の駆除の徹底を求める。また虫よけ剤、殺虫剤などの安定供給体制を確保する。
世界保健機関(WHO)や国連児童基金(ユニセフ)などには100万ドル(約1億1千万円)の緊急無償資金協力を実施し、感染被害に対する国際的な取り組みを支援する。〔共同〕