米石炭最大手のピーボディ・エナジー(本社・ミズーリ州セントルイス)は13日、米ミズーリ州の裁判所に連邦破産法11条の適用を申請したと発表した。米国では、天然ガスの増産や石炭火力発電への規制強化などの影響で石炭企業の経営破綻(はたん)が相次いでいる。
米メディアによると、ピーボディは、民間としては世界最大の石炭企業。銀行大手シティー・グループから8億ドル(約870億円)のつなぎ融資を受けながら再建を目指す。炭鉱や営業所などの運営はこれまで通り続けるとしている。
経営陣が中国の石炭消費の伸びを読み誤り、2011年にオーストラリアの石炭企業を高額買収したことで経営環境が悪化。一方、米国内では、シェール革命と呼ばれる技術革新による天然ガス価格の低下や、温暖化対策に力を入れるオバマ政権の規制強化も重なり、天然ガス火力、太陽光、風力などに切り替える電力大手が増えたことが拍車をかけたという。
米国では今年1月にも業界2位の石炭企業が経営破綻(はたん)するなど石炭業界の逆風が際立っている。米環境保護団体には、「化石燃料時代の終わりの始まり」といった見方も出ている。(ワシントン=小林哲)