環太平洋経済連携協定(TPP)承認案などを議論する衆院特別委員会が18日、10日ぶりに実質審議に入った。西川公也委員長は冒頭、自身が出版予定の著作を巡って審議が紛糾したことについて「円満な運営が出来なかったことは遺憾」と謝罪した。政府がTPPの交渉経緯を記した文書を黒塗りで開示した一方、西川氏の著作には内幕が記載されているとして野党が反発、関係閣僚の答弁も不十分だとして、審議が中断していた。
衆院委員長のTPP内幕本めぐり紛糾 通販から消えた?
西川氏は「委員会質疑の公正円満な運営に努め、質問に対する答弁が正確でない時は委員長からしっかりと促していく」と述べた。
また、野党側は18日の特別委を取りやめて熊本地震への対応に集中するべきだと主張、TPPの審議時間を積み上げたい政府・与党側と対立した。最終的には首相の強い意向もあり、特別委の中で震災関連の質疑も行うことで合意した。
ただ、民進党の安住淳国会対策委員長は同日の議論を「TPPの審議時間にカウントするつもりはまったくない」としており、政府が月内を目指している承認案などの衆院通過に影響を与える可能性もある。さらに野党は、20日に予定されている党首討論の延期も要請。政府・与党側は持ち帰って協議することにしており、国会日程は不透明さを増している。