経団連が18日発表した大手企業の今春闘での賃上げ額(ベースアップと定期昇給、第1回集計)は月7174円で、上昇率は2・19%だった。安倍政権が賃上げを呼びかけた「官製春闘」は、上昇率が3年連続で2%を超えたが、景気の先行きに不透明感も強く、3年間で最も低い水準だった。
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従業員500人以上の東証1部上場企業を原則として調査対象にし、今回は15業種62社が回答した。第1回集計時点での上昇率は昨年(2・59%)、一昨年(2・39%)を下回った。
業種別では、化学(回答数2社)が月1万242円、3・29%で額と上昇率ともに最も高く、自動車(同8社)が月8200円、2・37%と額で続いた。
賃上げを経済の好循環に結びつけたい政権の意向をくんで、経団連は収益が良い加盟企業に賃上げを呼びかけていた。だが、世界経済の先行き不安や円高、原油安も重なり、要求を昨年より引き下げた労組が目立っていた。
経団連の榊原定征会長は18日にあった政府の経済財政諮問会議で集計結果を報告した。終了後、記者団に「賃上げのモメンタム(機運)は今年も継続された」と語った。