中国の国家統計局が18日発表した3月の新築住宅価格調査によると、主要70都市のうち前年同月よりも値上がりした都市が前の月より8増えて40となった。過半数の都市が前年を上回るのは1年7カ月ぶりで、2年近く低迷してきた不動産市況の回復傾向を示した。
中国の住宅価格は14年春以降、値下がりが全国に広がった。昨年から徐々に反転に転じ、前年の価格を上回る都市も増えてきていた。2月と比べた価格では、3月は全体の9割近い62都市が値上がりした。
市況の回復を受け、低迷していた不動産開発への投資も1~3月期は6.2%増で、昨年通年の1.0%増から急回復した。素材や建設など幅広い産業への効果を見込めるため、回復は中国経済にとって好材料だが、北京や上海、深圳などの大都市では住宅の値上がりが急すぎるなどの問題も起きている。(北京=斎藤徳彦)