蚊の幼虫を捕るため、雨水升の水をすくう作業員=18日午前、東京都渋谷区の代々木公園、林敏行撮影
デング熱など蚊が媒介する感染症の流行を防ごうと、東京都は18日、代々木公園(渋谷区)で蚊の採取を始めた。11月まで定期的に実施してウイルスの保有の有無を調べるもので、今年からジカ熱を検査対象に加える。
この日、代々木公園では10カ所で採取。都の委託業者が1カ所あたり8分間虫取り網を振り、捕獲を試みた。また、公園の管理者が園内375カ所の溝をチェックし、雨水がたまっている場合は蚊の成長を抑制する錠剤をまく。
蚊の採取は、昨年に引き続き、人の出入りやイベントが多い都立公園9カ所で実施。代々木公園のほか、日比谷公園(千代田区)や上野恩賜(おんし)公園(台東区)などでも順次始める。
都によると、2014年に代々木公園とその周辺でデング熱の感染を確認したため、昨年は例年よりウイルス調査の時期を早めて蚊の採取場所も増やした。昨年は約3千匹の蚊を採取。デング熱やチクングニア熱のウイルスは検出されず、デング熱の国内感染の報告もなかった。(伊藤あずさ)