気象庁は20日、16日未明に起きたマグニチュード(M)7・3の地震でも、熊本県益城(ましき)町と西原村で最大震度7を観測していたことを明らかにした。2町村の震度計の不具合で観測データが入手できなかったが、同庁職員が現地で回収したデータを分析し、20日に判明した。益城町では14日に発生した最初のM6・5の地震でも、最大震度7を記録していた。
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気象庁は震度7を1949年に導入。阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、14日のM6・5の地震に次いで5例目の観測となる。一連の地震活動の中で、一つの自治体で震度7を2回観測したのは初めてという。二つの自治体で震度7を同時に観測するのも初めて。
14日以降、震度1以上の地震は700回を超えている。記者会見した青木元・地震津波監視課長は、複数の震源域で断続的に地震活動が続いていることについて、「過去に例を見ない地震で、これまでの経験則が当てはまらない」と説明。今後の活動についても「いつまで続くか見通せない」と述べた。
一方、前線を伴った低気圧が通過する影響で、九州北部は21日朝から昼過ぎにかけて、局地的に雷を伴って激しい雨が降る恐れがある。21日午後6時までの24時間の予想雨量は、いずれも多い所で熊本県150ミリ、大分県で120ミリ。気象庁は「地震で地盤が緩んでいる地域では、土砂災害に警戒してほしい」と呼びかけている。