国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は20日、難民・移民を乗せて北アフリカのリビアからイタリアへ向かっていた密航船が地中海で転覆し、約500人が死亡した可能性があると発表した。16日に商船に救助され、ギリシャへ運ばれた生存者が証言した。
難民ら100~200人が乗ったボートはリビア東部トブルクを出港。数時間後、数百人がすし詰めに乗った別の船に移るよう密航業者に指示されたが、乗り換えの最中に船が転覆、沈没した。生存者はソマリア人やエチオピア人など41人だけだった。
リビアからイタリアへ向かう地中海経由の密航ルートでは昨年、2892人が死亡した。欧州連合(EU)とトルコが難民・移民を原則トルコへ送還することに合意して以降、エーゲ海経由の密航は減ったが、より危険なルートの密航が増えると懸念されていた。(ローマ=山尾有紀恵)