法務省が12日、急増する就労目的の難民申請者を抑制するため、審査手続きを変更すると発表した。これまで正規に入国した申請者すべてに認めてきた審査期間中の在留や就労を制限する。認定判断のスピードを上げる狙いだが、難民保護の観点で問題視する指摘や、外国人労働者に頼る現場には疑問の声がある。
難民申請者の就労、大幅制限へ 法務省、書面審査で選別
法務省「真の難民の保護、進めたい」
「難民の受け入れを消極的にするという趣旨ではない」。上川陽子法相は12日、新たな運用を説明する会見で、こう強調した。
これまで違法滞在者以外のすべての難民申請者に対し、申請の6カ月後から一律に就労や在留を認めてきた。今後は在留、就労の資格を一部制限し、書面審査で就労目的などと判断すれば、すぐに強制退去手続きに入れるようになる。
法務省によると、15日の申請分から、申請後2カ月以内に、書面審査で「難民の可能性が高い」「(就労目的など)明らかに難民に該当しない」「同じ理由の再申請」「その他」の4種類に分類。就労目的の難民申請や、同じ理由で申請を繰り返す人には強制退去の手続きを進め、実習先から逃げた技能実習生や退学した留学生らに対しては、審査中の就労を認めない。
一方、難民の可能性が高いと判断されれば、すみやかに就労可能な在留資格を付与。いずれとも判断が難しい人は、申請から6カ月後以降に就労可能な在留資格を与えるという。
こうした変更の背景には、アジ…