今年、ヒトスジシマカが活動を始める時期の推定=国立感染症研究所提供
ジカウイルス感染症(ジカ熱)やデング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカが日本で活動を始める時期を、国立感染症研究所(感染研)などのチームが推定した。
感染研昆虫医科学部の駒形修主任研究官と小林睦生・名誉所員らは、2008~15年に国内各地で蚊が採集された日と平均気温の関係を分析。今年3月の平均気温をもとに今年の蚊の活動開始日を推定した。
それによると、熊本市(5月5日)や大阪市(5月8日)、東京都新宿区(5月10日)など、九州から関東までの大半の地域が5月前半だった。盛岡市は6月9日で九州と1カ月以上の差があった。実際の活動開始と2日ほど前後する可能性があるという。
駒形さんは「これまでは研究者らの経験や勘をもとに予想していた。今回の推定結果を蚊の対策に役立ててほしい」と話す。
推定では、1年を通じて蚊が活動する沖縄県や、蚊がいない青森県以北は対象外とした。(南宏美)