9月にあった世界柔道の男子100キロ級決勝で、技ありを奪うウルフ・アロン=角野貴之撮影
国際柔道連盟(IJF)は、2020年東京五輪で採用する新ルールを6日までに発表し、今年に入ってから試験的に廃止にしていた技あり二つによる「合わせ技一本」を復活させると決めた。来年1月の国際大会から適用される。
延長戦の指導に関するルールも変わり、これまでは一方の選手が指導を一つでも多く受けると勝敗が決まったが、今回の決定では、延長戦では指導の数の差では決着せず、どちらかが指導3になった時点で反則負けになる。「合わせ技一本」と同時に廃止された「有効」は復活せず、試合時間も男女とも4分で変更はない。
IJFは昨年のリオデジャネイロ五輪後、選手に攻撃的な姿勢を意識させ、「一本勝ち」による決着を促すことなどを目的に、大幅なルール変更を実施。今夏の世界選手権(ブダペスト)までを試験期間とし、10月に検証会議を開いて最終的なルールの策定に至った。IJFのビゼール会長は公式サイトで「新たなルールと競技形式は、柔道界や観客、メディアに大きな恩恵をもたらすと確信している」と声明を出した。