水野千夏さん(左から2人目)と、あきた舞妓たち。水野さんについて聞くと「いつも笑顔」「行動力がある」「前だけを見ている人」と話した=秋田市中通1丁目の秋田キャッスルホテル
ダークスーツが目立つ100人ほどのパーティーに、黄、紫、水色の振り袖姿の舞妓(まいこ)3人が入場すると、雰囲気がぱっと華やいだ。民謡「秋田おばこ」や端唄に合わせて踊り、盛んに拍手を浴びていた。
秋田市のホテルで4月25日にあった、経営者らの懇親会。司会者からマイクを渡されると、水野千夏さん(27)は「秋田美人を具現化し、産業化しようと思い、2014年4月に会社を設立しました」と、自らの事業を紹介した。
秋田市で途絶えた芸者文化を「あきた舞妓」の名で復活させた立役者は、若い女性社長。舞妓を育て、派遣する会社「せん」を設立して2年になる。イベントや宴会など年300回の派遣、見習いの舞妓やスタッフの育成、起業をテーマにした講演などで忙しい。「やるなら楽しく徹底的に、オンリーワンのことを」。そんな思いは10年前から変わっていない。