昨年10月の衆院選で「一票の格差」が最大1・98倍だったのは憲法違反だとして、秋田市などの男女3人が県選挙管理委員会を相手取り、全3選挙区での選挙の無効を求めた訴訟で、仙台高裁秋田支部(山本剛史裁判長)は30日、「合憲」との判断を示し、選挙無効の請求を棄却した。
昨年の衆院選では、小選挙区制が導入された1996年以降、初めて最大格差が2倍未満になった。同様の訴訟は、二つの弁護士グループが全国14の高裁・支部で起こしており、今月19日には福岡高裁那覇支部が「合憲」の判断を示していた。
衆院選の一票の格差を巡っては、最大格差が2倍を超えた2009年、12年、14年の3回について最高裁が連続して「違憲状態」と判断。国会は定数を「0増6減」させる法律を成立させ、昨年の衆院選では19都道府県の97選挙区の区割りが見直されていた。(石川春菜)