山口県下松(くだまつ)市の山陽自動車道で3日に車7台が衝突して母子3人が死亡した事故で、山口県警は6日、衝突した中型トラックの運転手、行広(ゆきひろ)恵子容疑者(54)=広島市安佐南区大町西3丁目=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで山口地検に送検した。県警は5日に勤務先の広島市西区の運送会社などを家宅捜索。押収資料をもとに勤務状況と事故の関連などを調べる。
調べに対し、行広容疑者は「ボーッとして運転していた」「間違いありません。何も弁解することはありません」と話し、容疑を認めているという。現場には、中型トラックのものとわかるブレーキ痕はなかったという。
行広容疑者と同居する息子(21)は5日、朝日新聞の取材に、「母は勤務が不規則で、家を出るのが午前4時や5時の日もあれば、深夜の日もある。会社のことはあまり話したことはないが、時々疲れた様子で『しんどい』と漏らすこともあった。それでも家事は一人できちんとやってくれていた」と話した。
県警によると、行広容疑者は3日午後9時40分ごろ、下松市山田の山陽道下り線で中型トラックを運転中、渋滞のため停車していた乗用車に追突し、玉突き事故を起こした疑いがある。この事故で、追突された車に乗っていた山口市阿知須(あじす)、中井麻美さん(37)と息子の中学2年、秀悟さん(13)、娘の小学4年、麻穏(まおん)さん(9)の3人が死亡し、6人が重軽傷を負った。