熊本地震で大きな被害を受けた熊本県の蒲島郁夫知事が9日、東京都内の中央省庁を訪れ、復興に向けた緊急要望をした。
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熊本地震 災害時の生活情報
農林水産省では、森山裕農林水産相に被災農家の経営再建に向けた財政支援などを求める要望書を手渡した。県は林業や水産業を加えた農林水産業への被害額を1022億円と推計。蒲島知事は「過去最大の被害となった。特別な支援をお願いしたい」と述べ、ため池の破損などによって田植えが出来ない農家向けに、大豆などの代替作物への転作支援も求めた。
被災地を2日と6日に視察した森山農水相は「再生産に向けて意欲的に取り組む現場もあった。できることは補正予算に関係なくスピード感を持って取り組みたい」と話した。
国土交通省では、道路や橋など公共土木施設の早期復旧への協力を石井啓一国交相に要請。蒲島知事は会談で「観光業はとてもいま風評被害が大変です。総合的な支援を」と述べ、とりわけ熊本城と阿蘇地域の復旧への協力も求めた。内閣府では河野太郎防災相に復旧復興のための補助制度の創設、財政負担に関する特別な立法措置を求めた。
蒲島知事は9日午後、政府の非常災害対策本部会議に出席するほか、内閣府や財務省、防衛省などにも要望を伝える予定。