韓国で販売された加湿器の殺菌剤で200人を超える死傷者が出ており、韓国検察当局が捜査を本格化させている。今月に入り、最も多い死傷者を出した殺菌剤の販売元、英日用品大手の韓国法人元代表を事情聴取。金品を受け取って企業側に有利な報告書をまとめた疑いなどで大学教授を逮捕した。
韓国環境省によると、2011年に原因不明の肺疾患患者の発生が続き、12年に加湿器の殺菌剤との因果関係が認められた。殺菌剤には有害な化学物質が含まれていたという。問題の殺菌剤は今は販売されていない。9日現在で、被害者として認定された人は死者95人を含め、計221人にのぼる。韓国政府もこうした被害者に対し、医療費などを支援している。
一方、被害者らは販売元などに抗議活動を続けてきた。検察当局は最近になって捜査に着手。英日用品大手の韓国法人代表も2日、ソウル市内で記者会見を開き、初めて被害者に謝罪し、補償する考えを表明したが、被害者らは引き続き不買運動を展開している。
韓国では今回問題になった殺菌剤のように日常的に使われる化学製品の安全をどう確保するか見直しを求める声が高まっている。(ソウル=東岡徹)