東出昌大=大阪市北区、伊藤菜々子撮影
■東出昌大(28)
端正な顔立ち、189センチの長身。これまでは抜きんでた存在感を生かした男前な役が多かった。だが、公開中の主演映画「ヒーローマニア―生活―」では、頼りなくも愛らしいヘタレの青年を演じている。新境地と言っていいだろう。
「びっくりすることに、今までの役の8割は親を亡くしていたり、闇を抱えていたりする役だったんです。肩の力を抜いてふざけて演じる役は少なくて、楽しくお芝居をしてそれが楽しい作品になるというのは、貴重な経験でした」
地方都市に暮らす元サラリーマンのフリーター中津(東出)は、ニートの土志田(としだ)(窪田正孝)らと街の自警団を結成する。彼らは次第に街の注目を集めるようになるが、事態は思わぬ方向へと転がっていく。
監督したのは、2013年にドラマで一緒になった豊島圭介。「恩返ししたい気持ちもあったし、成長を見せたいという思いもあった。楽しい場面で監督がモニターの横でニヤニヤするのがうれしくて、監督への愛情がそのまま映画への愛情になっている」。中津だったらどう動くか、走り方から研究し、アドリブも交えた。