宇都宮市教委は11日、市立横川西小学校(児童数539人)で10日に提供した給食のタケノコから、基準値の最高2・3倍の放射性物質が検出されたと発表した。いまのところ健康被害の報告は受けていないという。栃木県などが流通状況を調べている。
県などによると、市内の男性が県北部の出荷制限区域で採ったタケノコを「県内産」として卸売業者に販売。仕入れた青果店が10日、学校側に納入し、自校調理でタケノコごはんにして児童と教職員が食べた。卸売業者は自主回収する。男性は「出荷制限区域と知らなかった」と話しているという。
学校が委託して月1回程度実施している簡易検査で基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える疑いが出たため、11日に県に報告。県の精密検査で1キロ当たり131~234ベクレルの放射性セシウムが検出された。簡易検査は調理と並行して実施するため、給食後に判明した。
県は出荷制限のかかった農産物を出荷する際、産地を「県内産」ではなく市町村で表示するよう指導している。市教委は保護者らにメールなどで状況を説明する。