第16回「北京-東京フォーラム」が1日、閉幕した。政治・外交、経済・貿易、安全保障、メディア、衛生、デジタル経済など分野から参加した中日両国の専門家や学者100人余りが率直な対話や意見交換を行い、以下のコンセンサスに至った。中国新聞社が伝えた。

（１）中日両国は隣国であるだけでなく、共に現代世界における重要なエコノミーであり、両国関係は非常に重要だ。両国の経済と産業は相互依存性が高く、多くの利益を共有しており、両国の協力はアジアの平和と繁栄にとって極めて重要だ。アジア・世界情勢の可変的要素が増大している時であればあるほど、両国が協力を強化して、世界経済の安定的発展を促進し、東アジア地域の動揺を回避する必要がある。両国はこれについて幅広い議論を繰り広げるべきだ。

（２）新型コロナウイルス感染症に打ち勝つため、中日両国は協力を強化し、アジア及び世界的規模で新型コロナ対策と経済回復の統合的計画・推進の経験を共有し、成果を紹介するべきだ。ファストトラックを突破口とする国境を越えた人の移動と新型コロナ対策を両立させるため、両国は関係する原則とルールを共有化するとともに、これを多くの国々が参照して実行することを目指すべきだ。

（３）世界の主要エコノミーである中日両国はポストコロナ時代の世界経済の回復のために一致協力し、尽力すると同時に、世界経済の安定的発展に寄与し、市場の実際の需要に見合った自由貿易体制の維持に努力するべきだ。ルールに基づく多角的貿易体制を共に維持・強化することを前提に、各自の構造改革を推進する必要がある。地域的な包括的経済連携（RCEP）協定の締結を基礎に、積極的に中日韓自由貿易協定（FTA）交渉を推進し、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（CPTPP）への中国の積極的な参加検討を支持し、アジア太平洋地域におけるルールに基づく経済・貿易協力をさらに推進する。

（４）アジア太平洋地域の平和と繁栄の維持及び発展は中日国交正常化以来のコンセンサスだ。東アジア地域で緊張要因がある程度高まっている現在、なおさらに両国は各自の責任をしっかりと履行するべきだ。7年前、我々は「武力に訴えない」というフォーラム・コンセンサスに至った。今日我々は、平和な局面を脅かし、地域紛争・衝突を引き起こす行為への反対を重ねて表明するとともに、これについて議論を繰り広げ、持続的で安定した平和な環境を築くことを提言する。

（５）中日両国の首脳外交は両国関係の発展推進に重要な役割を果たしている。現在、世界各国はいずれも新型コロナウイルス感染症と闘っている。両国は各々来年に東京五輪、再来年に北京冬季五輪を開催する。この2つの世界的なスポーツの祭典は、新型コロナに打ち勝つよう人類を勇気づけるうえで非常に重要な意義を持つ。こうした中、我々は民意の基礎を固め、両国の首脳外交を順調に進めるための雰囲気を醸成すべく努力する必要がある。（編集NA）

「人民網日本語版」2020年12月2日