東京・歌舞伎町の飲食店街「新宿ゴールデン街」で4月に発生した火災で、出火元の建物に立ち入ったとして建造物侵入罪で起訴された住所不定、無職春名弘被告(66)が「ライターで火をつけた」と供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、現住建造物等放火の疑いで調べを進める。
火災は4月12日午後1時半ごろ発生。新宿区歌舞伎町1丁目にある無施錠の木造2階建て建物2階の空き店舗から出火し、飲食店が入るビルなど計4棟約300平方メートルが焼けた。
春名被告は当初、警視庁の調べに「金目のものが欲しくて入ったが、なかったので出てきた」と話していたが、その後、ライターによる放火を認める供述を始めたという。
捜査関係者によると、空き店舗は改装工事のための準備中で、段ボールの他、ベニヤ板やおしぼりが置かれていた。現場から油の成分は確認されず、火器類もなかったという。春名被告は逮捕時、ライターとたばこを所持していたといい、同課は今後、詳しい動機を調べる。