ブラジリアで12日、新閣僚の就任式に出席するテメル大統領代行=AFP時事
ブラジルのルセフ大統領が弾劾(だんがい)手続きで職務停止に追い込まれたことを受け、連立与党を離脱したテメル副大統領が12日、大統領代行に就任した。テメル氏は野党勢力と手を結び、組閣を発表。13年続いた中道左派の労働党政権が幕を下ろし、弾劾による事実上の政権交代につながる可能性がある。
「国内を静め、ブラジルを統一しなくてはいけない」。12日午後、ルセフ氏が去った大統領府で大統領代行の就任式が行われ、テメル氏が所信を表明。「深刻な経済危機から抜け出さなくてはいけない」と語り、経済再建を第一の課題とする考えを示した。
新閣僚は、3月に連立政権を離脱したばかりでテメル氏も所属するブラジル民主運動党(PMDB)や、2年前の大統領選で候補がルセフ氏に僅差(きんさ)で敗れたブラジル社会民主党(PSDB)の政治家らで構成。ルセフ氏が所属する労働党を中心としたこれまでの政権の閣僚は解任された。