伊勢志摩サミットの開幕を前に、大阪市浪速区の通天閣では入場者の手荷物検査をしている。訪れた観光客が地下のチケット売り場の前でかばんを広げ、金属探知機による検査を受けていた。特別警戒は27日まで続き、一部のゴミ箱やコインロッカーも閉鎖している。通天閣の下でたばこ屋を営む女性は「(サミット会場との)距離は関係あれへん。世界中からお客さんが来るから検査したら私らでも安心できる」と話した=25日午前10時16分、大阪市浪速区、伊藤進之介撮影
関西でもテロへの警戒が強まっている。
特集:伊勢志摩サミット
フォトギャラ「伊勢志摩、世界が注目」
大阪府警は、サミット会場の伊勢志摩に通じる近鉄の大阪難波駅や大阪上本町駅に機動隊員を重点的に配備。オバマ米大統領の広島訪問の警備対応もあり、人員はフル稼働だ。府警幹部は「海外のテロを見ればわかるように、サミット会場そのものではなく大都市自体が狙われる」と話す。
近鉄グループは、サミット主会場の志摩観光ホテル(志摩市)を傘下に持つ。グループの別の施設が狙われる可能性もあると身構える。26、27日は、あべのハルカス内の近鉄百貨店が臨時休業。グループの海遊館では手荷物検査をする。
JR西日本は両日、山陽新幹線と北陸新幹線、特急はるかの車内のごみ箱を封鎖する。ホームの大半のごみ箱も使えなくなる。車内で食べた駅弁などは「持ち帰っていただくしかない」(担当者)という。
関西空港では23~28日、すべてのコインロッカーの利用を停止。25日夜からは保安検査を受ける前のエリアのごみ箱を撤去する。清掃員が巡回し、旅客から直接ごみを回収するという。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は26、27日に手荷物検査を実施。全入場者を対象にするのは初めてだ。通天閣も金属探知機による検査を始めた。近所でたばこ店を営む女性は「(サミット会場との)距離は関係あれへん。世界中からお客さんが来るから、検査したら私らも安心できる」と話す。