ダレル・ミホさんが平和記念公園で1千枚買ったはがき。オバマ大統領の名前を記したシールと切手を自ら貼った
被爆地・広島への訪問を決断してもらおう――。そんな気持ちを込め、米国のオバマ大統領へ1千枚のはがきを送る活動をした日系3世の男性がいる。米ロサンゼルス郊外で暮らすフォトジャーナリストのダレル・ミホさん(50)。27日の広島訪問が決まったいま、「(原爆の)被害を直視してほしい」と願っている。
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ミホさんは祖父が広島出身。祖父は1945年8月6日の原爆投下前に米国に移住していたが、親族には被爆した人もいた。ミホさんは約5年前に広島、長崎の被爆者の写真や証言映像を記録し始め、米国の被爆者団体のサイトで発信するなどしてきた。
アジアを旅行していた今年4月、ケリー米国務長官が広島の平和記念公園を訪れたと知り、「大統領が訪問するチャンスだ」と感じた。米国に帰る前の4月18日に広島に立ち寄り、1千枚のはがきを公園の売店で買った。原爆ドーム、原爆詩人・峠三吉の詩碑……。さまざまな写真があしらわれていた。
オバマ大統領の名前とホワイトハウスの住所を記したシールを作り、自腹で買った切手と一緒に貼った。シールの横にはメッセージが書き込めるように余白を設けた。「オバマ大統領に広島訪問を呼びかけませんか」。はがきを手に、広島を訪れていた観光客に声をかけると46人が応じた。フェイスブック上でも「10枚ほしい」「全部送ったよ」といった反応が返ってきたという。