停電でとまった下りのはやぶさ・こまち21号(手前)と、横付けされた上り列車=17日午後4時50分ごろ、仙台市宮城野区、石橋英昭撮影
17日午後1時55分ごろ、宮城県内の仙台―古川間を走行中の東北新幹線の車両に一時的な停電が起き、緊急停車した。停電の原因は不明という。車両点検の影響で東北新幹線、秋田新幹線、山形新幹線は全線不通が続いていたが、午後7時40分に再開した。
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停電が起きたのは、東京発新函館北斗行きと秋田行きのはやぶさ21号・こまち21号(17両編成)。乗客約800人が乗っており、JR東日本は止まった車両の隣に上りの新青森発東京行きのはやぶさ22号(10両編成)を横付けし、乗客に乗り換えてもらい、午後5時16分に仙台駅に到着した。けが人はいないという。
福島での用事を済ませ、はやぶさ21号で仙台から八戸駅に向かう途中だった青森県むつ市の男性(75)によると、仙台駅を出てまもなく列車が止まり、「電気系統の故障のため、緊急停車しました」というアナウンスが流れた後、「点検のため停電します」と告げられたという。「車内が暗かったので不安だった。みんな静かに待っていた」。仙台駅に戻った後、下り臨時列車に乗り込んだ男性は「午後一番に帰ろうと思ったのに、さすがに疲れた」。
運転見合わせの影響で、JR東京駅の改札前は、再開を待つ人たちで混雑した。午後6時ごろには、払い戻しを求める人たちが50メートルほどの列を作り、改札前に座り込む人たちの姿もあった。
宮城県気仙沼市の菅原洋一さん(61)は小学生10人を連れ、都内で開かれた8人制サッカー大会に参加。「子どもたちは学校がある」と、夜に地元に戻る予定だった。「運転再開してくれるのが一番ありがたいが、払い戻してバスで戻るか」と迷っていたが、宿泊先が見つかったため、東京に一泊することにしたという。同様に上京していた仙台市や石巻市のチームは、夕方時点で運転再開を待っていたという。
宮城県白石市の主婦山田津江子さん(63)は親族8人でめいの結婚式のため上京した帰り。「めったに上京しないのにこんなことになって。年寄りも多いのでグリーン車を予約したが、待ちくたびれた」と疲れた様子だった。