米大統領選で共和党の指名獲得を確実にしている実業家ドナルド・トランプ氏は1日、今月24日に訪英すると発表した。英国では同盟国である米国の有力大統領候補が訪英すると首相が面会することが多く、トランプ氏の排他的発言を厳しく批判していたキャメロン首相の対応が注目されている。
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英ガーディアン紙によると、トランプ氏の訪英は英北部スコットランドに所有するゴルフリゾートの新装オープンに立ち会うことが目的という。
英国では、トランプ氏の「イスラム教徒の入国禁止」の発言を受けて、同氏の入国禁止を求める請願運動が起きた。5月にイスラム教徒として初のロンドン市長に就任したサディク・カーン氏も「イスラム教に無知だ」と批判していた。
キャメロン首相も昨年12月の発言当初は「おろかで間違っている」と断じたが、その後、トランプ氏が予備選を勝ち抜き大統領になる可能性が高まるとともに批判をトーンダウン。英メディアに「喜んで(会う)」と述べていた。
だが24日は英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の結果が判明予定の日ということもあり、英首相官邸によると現時点でキャメロン首相とトランプ氏の面会は予定されていないという。(ロンドン=渡辺志帆)